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2023.04.16 飯田知子個展「遺された顔」パフォーマンスイベント 『舞踊批評の肉声 吉田悠樹彦初期芸術評論集(2002-2022)』 出版記念舞踏会 @武蔵小金井 GALLERY BROCKEN


永遠に終わらない、中央線・御茶ノ水駅の工事。ここ10年くらいずっとやっているのでは……狭すぎるホームは健在で、ごった返す人々とホーム幅の明らかなミスマッチ。よく落っこちないな、皆さん。

武蔵小金井駅で降り、ギャラリーブロッケンへ。コンクリートの建物はまるで積み木あそびのような、すとんとした造り。館内では日本画家:飯田知子さんによる個展「遺された顔」が開催、会期のオープニングである本日は舞踊批評家:吉田悠樹彦さんの出版記念舞踏会が行われる。

入場すると舞踏家:Dohrikiさんが登場。やわらかで気さくな物腰に『舞踊批評の肉声 吉田悠樹彦 初期芸術評論集』に載っていた方だ……!と嬉しみをかみしめてぺこりお辞儀。そしてお隣におられる吉田悠樹彦さんへ、ご出版おめでとうございますのお礼。幾多の公演でお目にかかるはもちろん、いつかのご恩とともに。

さらにその横に佇む、TAISHI WATANABEさんにもぺこり。奇遇にもまったく別件で、先月この場で行われたTAISHIさんの単独舞踏会を拝見したところ。いやはやよきかなぼうっとし、心地よい小雨を浴びて帰るなどし。今日は異路派で参上できたこともよろこび。

©飯村昭彦

壁にかけられたふぞろいのキャンバスを眺める。おなじ建物でも質感の異なるふしぎ、こうして絵に囲まれる機会もそうなく「春風」という作品に夢中。近くでみるときらきらしている、気づけばいつの間にお子さんたちがやってきては自由気ままに。その中に飯田知子さんも発見してぺこり。

©飯村昭彦

ふれては手ばなし、まためぐり逢うとき。今もまだ身体の知らない奥底で名残はじけて消えていて。お写真は飯村昭彦さんによるもの、幾度みても初感覚に揺りおこされるようなジャメヴュ。お目にかかりました方々、誠にありがとうございました。

▼『舞踊批評の肉声 吉田悠樹彦 初期芸術評論集(2002-2022)』

https://suijinsha.thebase.in/items/72602451/

2023.03.25-26 子どもと大人のためのダンス「日本昔ばなしのダンス」 川村美紀子『じごくのあばれもの』 @埼玉会館


小さい頃に弟がやっていたサッカーゲーム、プレイステーション「ウイニングイレブン」を眺めるのが好きだった。どちらかの川平さんによる絶叫的な実況のもと、点を取り合うJリーグの選手たち。サッカーのルールはまったく知らないけれど、当時のチーム名は今も覚えている。

そのうちのひとつ、浦和レッズが「REDS」だったことを私はいま、初めての浦和駅を降りるなり知らされている。全体的に赤いぞ、西口駅前。そうか、赤いからレッズだったのか……意識してこなかった「REDS」という言葉との出逢い直しをすませて劇場へ。

彩の国さいたま芸術劇場の大人気シリーズ、子どもと大人のためのダンス第7弾 『日本昔ばなしのダンス』にて新作を発表させていただくことに。日本昔ばなしをベースにお子さんから大人まで、広く楽しめる作品をという企画。第7弾の今回は黒須育海さん『ごんぞうむし』& 川村美紀子『じごくのあばれもの』、ダブルビルの全4回公演は満席御礼。舞台上に組まれたお席から観劇いただく、アットホームスタイルでした。

なお彩の国さいたま芸術劇場の大規模改修(休館期間:2022年10⽉3⽇〜2024年2⽉29⽇)により、公演は埼玉会館にて開催。

©大洞博靖

あちらこちらから飛んでくる子どもたちの声に、みるみる身体は変わってゆく。これまで舞台上で子どもたちとの交流機会がなかったかもしれないために驚き、というか面白さの衝撃でいっぱいです。SATの方々による日々の手厚いサポート、関わってくださったスタッフの方々、平山素子さんによるスタジオご協力まで、さいたまから生まれた素晴らしき劇場空間を感じ。以下長文となりますので、ご興味ある方はぜひです。

『じごくのあばれもの』 あらすじ

まずは、埼玉県の昔ばなし(※ 諸説あります)『じごくのあばれもの』をベースのストーリーに選定。テレビアニメ版では冒頭「カンカンの日照りで作物が枯れるわ、病気は流行るわで大変じゃった!村でも町でも、たくさんの人が死んだ!」という軽快なナレーションから始まる。そんなテレビアニメ版『じごくのあばれもの』あらすじを、かわむら視点でざっくりご紹介。

生前にやり散らかした悪事により、鍛冶屋・医者・山伏の3人は地獄行きに。えんま大王から「剣の山を登れ」と命ぜられるも、鍛冶屋は剣を溶かして鉄のわらじを鍛造、鋭い剣を根本から蹴りとばして登山を完了する。怒ったえんま大王は「釜茹でじゃー!」と3人を熱湯風呂へ放り込むが、山伏による〝火遁の術・水の印〟の呪いにより良い湯加減に。全員ごきげんで歌っていると、えんま大王に飲み込まれて内臓へ到達。医者の指示で泣きや笑いの筋をいじったり、腹下し薬を塗るなどして尻穴から脱出する。知恵を駆使して楽しむ様子に、えんま大王は「地獄を極楽と間違えやがって、恥をかかせやがって」と激怒の末に呆れ、3人は娑婆に戻されて仲良く暮らしました。

放送日:1976年08月07日(昭和51年08月07日)

果たして、こんなサイケデリックな作品に出てくれる方がいるだろうか……。不安を胸にお二人へお声がけ、なんと出演いただけることに。

出演メンバー

米澤一平さん
タップパフォーマーであり音楽家、ディレクターとしても知られる米澤一平さん。彼の豊かなアート経験からうかがえる色とりどりの引き出しや、安定したアンバランスを縦横無尽に奏でめぐる音身体にあらためて脱帽。稽古中に自然発生するトークから新たなシーンが生まれたり、1人では思いつきもしないようなボールも投げかけられたりするなど新鮮。かわむらとは2017年よりライブセッションやイベントをはじめ、 静岡での路上パフォーマンス でもご一緒。舞台作品では初共演だったりします。

原作:鍛冶屋 → よねざわ役
タップ、それは靴の裏についている金属を音へ変える錬金術師……鍛冶屋では?というシンプルな想いから、ご本人役をお願いしてみました。

©大洞博靖

青沼沙季さん
お二方目は、ダンサーでありシンガーであり、さらに教員としてのお顔もお持ちの青沼沙季さん。これまたさりげないアイデアマンで、かゆいところに手が届く「そこそこ!」的な視点からの問いで動きが発展したり、幾度となくヒントを頂戴したり。作詞の面でも言葉と感情の流れをしっかり汲みとりながら、ますます伸びやかにアップグレードされゆく魔法のような身体歌。楽譜が不在のオリジナルソング、すぐに口伝でものにしていただける器用さ。かわむらとは2014年&翌年に開催された 多摩での路上パフォーマンス にてご一緒し、舞台作品では初共演です。

原作:医者 → 美容整形外科医役
ストレートに美容整形外科医役をお願いしました。手術衣には一部、取り外し可能なパーツも。

©大洞博靖

川村美紀子

原作:山伏 → おじさん役
かわむらはおじさんになりました。ラップしたり踊ったりしますが、基本的には「マジで感謝」と言い、割と本気で合掌しています。

冒頭、突然始まるミュージカル
©大洞博靖

顧客満足度オンリーワンを目指して

「今だけ限定無料でくす玉をひっぱることができる、くす玉★チャンスタイム!」力を貸してくれた勇気ある1名さまへ、出演者のサイン入り色紙(プリクラ付き)をプレゼントするコーナーも。毎度のお子さんたちの勢い&めくるめく表情に、ひたすら驚かされるばかり。大人な皆さんによる温かいまなざしも。

©大洞博靖

⳹ 地方での再演、大募集 ⳼

彩の国さいたま芸術劇場 シリーズ第7弾 – 子どもと大人のためのダンス 「日本昔ばなしのダンス」川村美紀子『じごくのあばれもの』& 黒須育海さん『ごんぞうむし』地方での再演にぜひ一票を!

謎のイメージ画像
当日パンフレット

ミラクル衣装コーナー

衣装か、美術か、なんなのか。村上美知瑠さんの宇宙的発想に、いつもワクワクしながらご一緒させていただいています。「赤ちゃんってね、生まれてからしばらくは、自分と外界との境目があいまいで……」数年前に伺った彼女の感覚、はっとする。いつからガリガリ引くようになったのか、生きるための境界線。彼女と話していると、おいしいまかない的な心手を感じとったりする。村上美知瑠さんによる創作の旅をチラリ。

よねざわ氏(背後) & おじさんの手ぬぐい
ハイパーリアリティ・焼き芋
さわり心地・質感
こだわりの布プリント
くす玉 製作中。舞台スタッフ陣の手腕により、見事なバランスで吊るされる
稽古終わりに撮りました

あらためまして雨の中ご来場くださいました皆さまへ、誠にありがとうございました。いつかまたお目にかかれましたら幸に思います。


『World’s End Underground /即狂空間』 2022.11.22 @エル・パーク仙台|2022.12.13・17@中野テルプシコール


鯨井謙太郒氏と定方まこと氏によるユニット CORVUSコルヴス と真夜中のお散歩を重ね、両氏の黙示する『World’s End Underground(通称:#WEU)』へ加担させていただくことに。世界の終わりとアンダーグラウンドについてのアプローチはおよそ2ヶ月をかけ、東京 – 仙台間で勃発。その運動体は4つの事象からなり、トーク形態の「#カタルカイ」、創作形態では「#ツクルカイ」、そして公演形態「#フレルカイ」、ワークショップの「#ウゴクカイ」とみるみる表層を変えてゆき。果たして、全容を把握された方なんていらしたのかしらと思うほど盛りだくさん。

私は「#フレルカイ」即狂空間へ参加、事前の仕込み一切なしで仙台へ到着した。新幹線を降りて勾当台公園駅こうとうだいこうえんえきからデパート経由の現場入り。三越の上階に構えられている劇場エル・パーク仙台へ、オムライスを片手にエレベーターボタンを押して浮上する。

©佐々瞬

凍える帰り道、大通りの中央分離帯に溜まった枯れ葉の舞う様子も印象的だった。仙台での日々は次回短篇集にも入れたいな。そして帰京後、中野テルプシコールにて始まるインタビュー。聞き手は呉宮百合香氏、撮影は酒井直之氏によるもの。

東京公演は全6回。前半は即狂空間・後半はCORVUS振付、毎回出演者の異なる枠組みも仙台と同様。東京の振付パートでは渡邉茜氏に代わり、先の「#カタルカイ」でも鮮やかな司会をつとめられた共同企画者、呉宮百合香氏の特別出演も。

©コンドウタケト

終わらない、終わりたくないままぶった斬られる終焉。鯨井謙太郒氏と育む衝動、定方まこと氏と味わう概念、実地で考え続けられる機会が嬉しく。いつかまた時を狂わすお散歩を。