老朽化のためにリニューアルされた原宿駅。旧フォルムをざっくり残し、木造建築の味わい深さのみが取り除かれてハリボテのよう。黄色い銀杏並木をめがけ、若者たちが写真を撮っては歩き去ってゆく。そんな日常を車窓から眺め、昨年オープンしたという商業施設の地下駐車場へ進入。ベンツとポルシェのあいだに震えながらとめる。
ブルジョワジーな施設内のイベントスペースで開催されているのは『WITH HARAJUKU コンテンポラリーダンスフェスティバル』。総合プロデューサー山本裕さんにより招かれたアーティストが二日間、日替わりで作品を上演する企画へ参加することに。

亀頭可奈恵さんとともに、南房総の海山でリハーサルをしていたのは先月のこと。スマートフォンに接続したBluetoothイヤホンの右側を差し出して、私は左側を装着。互いに音が途切れない範囲を探りながら踊ることしばらく。
呼吸音ます登山、電波遮断される絶壁、反響する要塞、コケに滑る波うちぎわの岩場。様々なシチュエーションで互いの距離をはかり、登場する野生動物も適切な距離をうかがっていた。
そんな創作期間を経て原宿、ひらけた庭からビル群を眺める。かつてラフォーレあたりまでは源氏山と呼ばれ、わりかし小高い土地だったそうな。一方、亀頭さんは礼儀正しく並んだ庭の植栽を見て「ここに植わってる木々たちエリート集団って感じですね!選抜された奴らですよ」と元気よく言った。確かに小綺麗に整備されていて、選抜落ちした植栽らに思いを馳せた。
かたわらに植えられたエリート楓もうっすら紅に染まりつつ、ピンク色に反射するビル群が知らせる夕暮れ。冷めやらぬ心か温暖化か、冬の到来を遅く感じる。

©USHUN

©池上直哉







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