4月から東京へ戻り、小さな部屋を借りて暮らしている。南房総の庭付き一軒家とは真逆なコンクリート打ちっぱなしの1K、すべての家具を電動ノコギリで解体し、本と机を車に積んで引越した。思いつきの諸行に、私自身がついていけない。数ヶ月経ったいま、コロナ禍の田舎暮らしもはるか昔に感じられるほどに情報量が多く、便利で都合のいい日々を送っている。車文化より離れるゆえ、また酒に飲まれぬよう心がけたいところ。
なんて自戒もさっぱり忘れ、缶ビールを潰しつつ日本橋方面へ。つたない記憶を総動員して思いだす路地裏、ドアを開ける。本日ダブルトールギャラリーにて開催されるのは、米澤一平氏による新企画『PLAY ROOM』。タップダンサー米澤氏、ダンサー入手杏奈氏、かわむらが各々事前にセレクトした音源を、DJのKagari Mosquitoさんがまわしセッションをする試み。
「ライブの企画数、今年が最多かもしれない」と語る米澤一平氏は、対話や交流の現場を着実に形成しているプロデューサー。劇場外の環境で様々なアーティストと関わることができる彼のコミュニティに勝手に励まされているのは、きっと私だけではないでしょう。

入手杏奈さんとは約10年ぶりの再会。2012年、中野RAFTによる若手ダンサー創作支援企画 DANCE NEST にてご一緒し、同年青山円形劇場で開催されたダンストリエンナーレトーキョーでの拝見以来。挙動不審で近づくと「シャツのボタンかけ違えてるよ」と囁かれくらくらする。最後にお逢いした時からくもりない、彼女の眼差しに射抜かれるままスタートしました。





Kagari Mosquitoさんの紡ぐ研ぎ澄まされた空間のなか、吸われて抜けてゆく音の群れを愉しむ。誰の選曲なのか、本人以外は知らない。他者の音感覚を分けんこしているような、まれに交換しあうような。お客さんとかたどられ崩れ去り風に散る、まるで砂の城を全力で作っていくような遊びに熱中。お立ち合いくださった皆さま、ありがとうございました。


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